Music

〜路傍の人〜里国隆「黒声(クルグイ)」

昨年9月、兵庫県姫路市にある書写山円教寺において行われた「にじのわまつり」というイベントに参加した。円教寺は「西の比叡山」とも呼ばれる由緒正しきお寺で、映画「ラストサムライ」のロケ地にもなった場所。JR姫路駅からバスに揺られて30分、そこか…

Bo Hansson。

以前に書いていた音楽・本・映画といった趣味のブログの過去ログを眺めているうちに、なんだか再開してみようかなという気持ちになり、さてどういうタイトルにしようかいな、といろいろ考えているうちに、大好きなスウェーデンのキーボーディスト/作曲家Bo H…

ボビー・マクファーリン。

(2008年05月04日の日記より転載) ボビー・マクファーリンという人がいる。 日本では、口笛と「一人アカペラ」が印象的な「Don't Worry, Be Happy」が有名(元気が出るTV、勇気を出して初めての告白…懐かしいね、どうも)だけど、とにかく彼の武器は、「声」…

殉教者の歌。

「Jeff Buckley/Grace」 「Nick Drake/Pink Moon」 だいぶ日が短くなって、「秋の夜長」という言葉がぴったりなこの季節。静かな夜には美しく儚いこんな音楽なんかいいのでは? オーヴァードーズでこの世を去った夭折の天才、ティム・バックリィ。その息子と…

美メロ・和モノ・ハウス。

「Daishi Dance/MELODIES MELODIES」 「VA / Luxury Garden」 前作「P.I.A.N.O set」がピアノとストリングスが印象的な「美メロ」アルバムだったDaishi Dance。セカンドとなる本作はガラッと方向を変えてくるのかと思いきや、前作にも増した美メロオンリーの…

”オレ流” チンピラ・ディスコ・パンク。

「Boys Noize/Oi! Oi! Oi!」 ”オレ流”チンピラ・ディスコ・パンクとはこれいかに? nbmさんのNegative Heartの記事「ほんとに真ん中?」で紹介されていて、Myspaceで試聴し、ぶん殴られる衝撃を受けてそのままAmazonへ。 「Oi! Oi! Oi!」と言われればパンク…

暮れなずむ部屋で。

「Future Loop Foundation/Memories From A Fading Room」 全編を通じて感じるのは「フワフワとした浮遊感」、そして何故か思い出す子供のころの記憶。Mark Barottのプロジェクト、Future Loop Foundationのアルバム「Memories From A Fading Room」はチルア…

もも。

「もも/ザ・ナンバーワン・バンド」 「こなさんみんばんわ」「咲坂と桃内のごきげんいかが ワン・ツゥー・スリー♪」 ある年代の人たちにとって「スネーク」といえば「スネークマン」、「ショー」といえば「スネークマン・ショー」である(少々強引?) その…

閑話休題 : サイテー映画の世界。

映画好き、それも「ちょっとマニアック」な映画通なら「何をいまさら」な感じが無きにしもあらずのレーベル「Something Weird」。 このビデオ・レーベルはとにかくエラい。何がエラいかと言うと「崇高な意思はあるが技術もセンスも伴っていないクズ素晴らし…

ごーいん・ばっく・とぅ・いんでぃあな。

「Jackson 5 / Lookin' Through the Windows/Goin' Back to Indiana」 ITLさんちで「Jackson 5/I want you back」のリミックス/カバーについての素晴らしい記事があったので、こちらもちょいとジャクソン5の話題を。 このアルバム「Lookin' Through the Wi…

鍵盤へのいざない。

『Brown Suger Presents 』『V.A / Organized!』 ローズ・ピアノとハモンド・オルガン。共に特色のある音色を持った楽器に焦点を当てた、面白いコンピレーションを2枚ご紹介。 ソウルやファンクのレア・グルーブを主体に、さまざまなコンピでいつも新鮮な驚…

思ひ出のMix-CD。〜Tony Humphries〜

「Tony Humphries/Choice: A Collection of Classics」 一時期、「ダンス・ミュージック」、とくにハウスに関してほとほとイヤになったというか、完全に聴く気が無くなったことがあった。 周りにはけっこうハウス好きが多く情報交換なども頻繁に出来ていたか…

Ever Green, ACID JAZZ 4 〜Incognito〜

「Incognito / BEES + THINGS + FLOWERS」 前身であるライト・オブ・ザ・ワールドを経て、純然たるジャズ・ファンク・バンドとしてインコグニートを出発させたジャン・ポール"ブルーイ"モーニック。鳴かず飛ばずの不遇な時代を過ごした後の、トーキング・ラ…

恋煩いのような。

「VA - Nu Jazz Cool vol.2」 聴いた途端に一目惚れならぬ、「一耳惚れ」をして、好きになってしまう曲というものがたまにある。寝ても覚めてもその曲ばかり。リピートで聴きまくっても、ぜんぜん飽きない。最近ではTuomoの「Don't Take It Too Hard」なんか…

史上もっとも気分が良くなる曲? 

「VA / Cigarettes And Alcohol」 先日の記事で書いた「色あせない曲」という定義は考えれば考えるほど難しい。よくよく考えれば、最初はそんなに好きじゃなくても、じっくり聴き込むことで「自分の中のスタンダード」になってる曲もあったりなんかして、ま…

リリック再考。 〜ハートにファイア!?〜

「Billy Joel/Storm Front」 英語に堪能ではないので、その世界を完全に理解できるっていうわけじゃないけど、ビリー・ジョエルという人の歌詞はすごく表現力豊かで、ニューヨークの街角に生きる人々の姿や、青春の甘酸っぱさみたいなモノが巧みに表現されて…

中身とのギャップが。

「VA - Sex & Soul: Mixed by Moog-Ly 」 Wagramといえば、大ヒットした「Hotel Costes」シリーズや「Saint German Dos Pres Cafe」シリーズのNu-Jazzや、「Buddha Bar」などのChill Outモノ、はたまたラウンジものやラテン関連のコンピなど、幅広い守備範囲…

現在進行形ファンク・バンド 〜The Bamboos〜

「The Bamboos/Rawville」 またまた最近、入手する音源に心躍らされるモノが多く、うれしい悲鳴。USだのUKだの、黒いだの白いだのもうどうでもいいやと、ハイテンションでかなり充足している音楽生活なのであります。 かのArchie Belle & Drells「Tighten Up…

個々の魂、ひとつ上の高み。

「D.Kay/Individual Soul」 この夏、中毒のように聴いているTuomoが、bounce誌に語ったインタビューの中で、「ジャズはプレーヤー個人に焦点をあてたもので、慣れ親しんだソウル・ミュージックを追求すると、ヴォーカルと歌詞を強調したかった。曲そのものが…

ヨーロッパ・鬼才SSW 2 〜Tuomo〜

「Tuomo/My Thing」 続いては、フィンランド・ヘルシンキをベースに活躍するSSW、Tuomo(トゥオモ)。 ピアニストとして早くから欧州各国の音楽賞を総なめにし、Quintessenceなどにもキーボーディストとして参加するなど、実力派の26才。その70's・ソウル…

ヨーロッパ・鬼才SSW 1 〜Benny Sings〜

「Benny Sings/Benny At Home」 昨年からUKの女性シンガー・ソング・ライター(SSW)の活躍が目覚ましく、目が離せない存在だけど、最近入手したCDの中に気になる男性SSW、しかも共通してヨーロッパのシーンからのアーティストがいるのでご紹介。 まずは前作…

ぐりんぐろ。

「Bjork / Gling-Glo」 ビョークの新作「Volta」は、ティンバランドやトゥマニ・ジャバティ、ココノNo.1といった多彩なゲストが参加した、素晴らしい一枚だった。「素晴らしい」といってもどこが素晴らしいのか言葉を見つけられないまま、もう誰も近づけない…

ベニン発パリ経由全世界行き。

「Angelique Kidjo/Djin Djin」 ブラジルのバイーヤ・ミュージックと接近,融合したアルバム「Blue Ivory Soul」が個人的に強烈かつ猛烈に印象に残っているベニン出身のシンガー、アンジェリーク・キジョーの新作。 アフリカンと他の音楽との融合を常に試み…

ネオ・バーレスクの女神。

今日は音楽の話題ではなく、すこし「エロティック」な方面。 「バーレスク」とは1930年代から50年代、「新天地」を夢見て多くの移民が渡ってきたアメリカで、言葉の壁を越えて楽しめる「庶民の為の」娯楽として一世を風靡した、「コメディ・ストリップ…

What Is Hip?

「The Juju ORchastra / Bossa Nova Is Not A Crime 」 最近の収穫、その2。ドイツのDJ&プロデューサー・ユニット、Juju Orchastraのデビュー・アルバム「Bossa Nova Is Not A Crime」タイトルからもわかるように、ラテンをキーワードとした、クラブ・ジャ…

骨の髄までジャズ・ファンク。

「Down To The Bone/Supercharged」 最近の収穫、デビュー作「From Manhattan to Staten」から追い続けてるDown To The Boneの新作「Supercharged」 U.Kのプロデューサー、スチュアート・ウェイドとクリス・モーガンを中心とした、アーバン・ジャズ・ファン…

巨人たちのレコード棚 その3。

「VA - John Lennon's Jukebox」 巨人たちのレコード棚、最後はジョン・レノン。 先の2枚と違い、「ジョン・レノンが60年代後期に所有していたポータブルジュークボックスの中に収められていた楽曲をコンパイルした」という少し趣きの異なった一枚。このジ…

巨人たちのレコード棚 その2。

「MOJO Presents Stooges Jukebox」 英雑誌「MOJO」の独自編集付録CDがとにかくスゴい。クラッシュのカバーした曲や関連曲を収めた「RADIO CLASH」や、今年リリース40周年を迎えるビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ〜」の様々なアーティストに…

リミックスという行為。

「VA - Motown Remixed」 「Remixed & Reimagined:Nina Simone」 キング・タビーが「ダブ」という手法の上にリミックスという行為を「発明」した瞬間から今日まで、数えられないほどの「オリジナルに新たな生命を吹き込んだ」ナンバーが作りだされてきた。ラ…

巨人たちのレコード棚 その1。

「Paul Weller / Under The Influence」 音楽を聴いていく上で影響を受けたアーティストが、どういった音楽的なルーツを持っているのかというのはとても気になるところ。歴史に大きな足跡を残す偉大なアーティストたちはどういう音楽を聴いて育ったのか、そ…