閑話休題 : サイテー映画の世界。

 映画好き、それも「ちょっとマニアック」な映画通なら「何をいまさら」な感じが無きにしもあらずのレーベル「Something Weird」。


 このビデオ・レーベルはとにかくエラい。何がエラいかと言うと「崇高な意思はあるが技術もセンスも伴っていないクズ素晴らしいバカ映画」ばかりをラインナップしているところ。エロ、グロ、アクション、ホラー、と観客が喜びそうな部分だけにスポットをあてたエクスプロイテーションな映画のみで構築された世界というのは壮観であります。



 僕の手元に「Extra Weird」というDVDがあるのだけど、これはこのレーベルのサンプラー。言ってみれば予告編を繋ぎ合わせたもので、その中には「残酷映画(今見たら稚拙な技術が涙を誘う)の帝王」と呼ばれるH・G・ルイスの「血の祝祭日」「2000人の狂人」やカルト・ムービーの元祖「バスケット・ケース」、「カラー・ミー・ブラッド・レッド」と何とも言えないタイトルがずらっと並んでいる。



 これらのタイトルはビデオ・レンタル黎明期に店頭に並んでいたタイトルもあって、タイトル数の少なさや、「煽る」ジャケなどからうっかり借りちゃって「あっちゃ〜」となっちゃうものも中にはあった。

 
 しかし、「大衆」が望むある種「見世物小屋」的な要素を出来るだけ詰め込んだこれらの作品は、映画の原点みたいな部分も確かにあって、明らかに王道を行くビッグバジェットな大作とはまた違う「パワー」に溢れている。まさに「映画バカ」による「バカパワー」。一回踏み込むとなかなか抜けれない『バカ』ワールドは、今も熱狂的なファンが多数いる事で証明されている。


 お色気、アクション、マッドサイエンティスト、モンスター・・・考えうるあらゆる要素を詰め込んだ、おいおい誰も止めるもんおらんかったんかいな、っていう感じの「Monsters Crash the Pajama Party」のトレーラー。きゃーきゃー。

ほかにもSomething weird.com自らによってyoutubeに映像が大量にアップされています。もう究極に何もやる事が無いくらいの時にでもどうぞ(苦笑)→Something Weird Youtube






そして究極の最低映画を集めて紹介している「最低映画館/THE WORST MOVIE THEATER」。「怪物くん大襲来」「ゾンビ天国」「私はだまされた」・・・とカテゴライズされた解説は、ゆる〜い文体と鋭い視線で驚きの内容。ケンタッキー・フライド・ムービー、死霊の盆踊り溶解人間ピンク・フラミンゴ・・・あ〜頭がクラクラする〜。最高〜。サイテー映画の「写真で一言」のコーナーも秀逸。


 歴史的大迷作「吐きだめの悪魔」の監督が、カメラマンに転身してあの「タイタニック」を担当していたとか、素晴らしいトリビアも満載。スンバらしいです。姉妹サイト「殺人博物館」もどうぞ。