ディスコの探求者。

Dimitri From Paris/In The House Of Love」




 「ハウス」というジャンルが根付くことが難しかったフランスで、「フレンチ・ハウス」を確立したDimitri From Paris。もちろんその功績は大きいのだが、大名盤「A Night At The Playboy Mansion」や、「Disco Fever」、Salsoul関連のRe-Mix、DJ MUROとのコラボ「SUPER DISCO FRIENDS」で垣間見せる「Disco Music」への偏愛ぶりは「Respect Is Burning」というプロジェクト名からもうかがい知れる。

 昨年リリースされた「In The House Of Love」は、アルバム「In The House」の続編で、ガラージ/ディスコ・クラシックから、ソウル、ジャズとなんでもあり。3枚組でうち一枚はノン・ミックスのボーナス・トラック収録。しかもほとんどのナンバーがこのアルバムの為にDimitri自らRe-Editしたものばかり。

 
 とにかく一枚目冒頭のOriginalsのモータウンでの大名曲からアガりっぱなし。つづく80'sディスコの02からFat Larry's Bandのファンク・ディスコ、ソウルなVictor Davies、デトロイト・テクノにカテゴライズされながらソウルを感じるDJ Genesis、3年前のリリースながら、ハウスクラシック決定のTortured Soulまでの流れは、時代、ジャンルは異なるのに鳥肌が立つほどいい気持ち。そしてロマンチック。そのうえエロい(苦笑)


 その他にセレクトされたメンツも、D Train、Grace Jones、IncognitoGato Barbieri、Sylvester...と一見バラバラでごちゃごちゃしてそうだが、その選曲センスの良さで全く違和感無し。「フレンチ・ディスコ」の偉人、Cerroneと、「フレンチ・ハウス」のスター、Bob Sinclarのナンバーもチョイスしていて納得。U.Kハウスの重鎮、Pete Hellerの曲をブリッジ代わりに使っているのは余裕の表れ?


 聴き馴染みのある曲たちがRe-EditとMixによってここまで新鮮に聴こえるのは驚き。っていうか購入後半年経っても聞き飽きない久方ぶりの「スルメ盤」。昨年聞いたあらゆる「ハウス」のなかで「裏」No.1決定。あまりに普通に聴き過ぎてて先日の記事にピックアップするのを忘れていただけですが(汗)


 とにもかくにも「In The House」と並んで、ガラージ、ディスコという言葉に反応してしまう人には是非聴いてもらいたい一枚。

 本作でチョイスされたCerroneはフランスでのDisco Musicのみならず斬新なシンセの多用やテクノっぽいサウンドの組み立て方で今に至る「ダンス・ミュージック」にただならぬ影響を与えたエラい人。そしてBob SinclarはそのCerroneにリスペクトを表した「Cerrone」という彼のナンバーのみのMixアルバムまで製作した。本作には収められていないけど、そんな「俺たちフランスで頑張った」2人に敬意を表して。



In the House of Love

In the House of Love